音声認識ソフトの実力評価と学習能力活用
トップ >音声認識精度を大きく左右するマイク
先日、マイクを換えて変換精度の比較テストを行い、実験レポートを
書いたあとから、音声認識の変換精度が突然悪くなった。
なぜ急に悪くなったのか、原因が全く分からず、しばらく対処不能の
状態が続いていました。
通常通り音声認識を行っても、変換された文章はいつもよりもものす
ごく悪い状態でした。
今までの通常の変換精度だと95パーセント程度は正しく変換されて
いたのですが、調子悪くなってからはその変換精度は何と50%程度。
そのあまりの悪さに、びっくり仰天しました。
さらに音声をインプットしていないときに、キーボードをカチカチ打
つと勝手にTABキーが押されて、カーソルがどんどん入力ポイント
から先に進んでしまうのす。
これには困りました。
その都度バックスペースを指示しなければならず、作業性の悪いこと
ひとしきりでした。
何とかならないものかと「TAB」「タブ」を変換しない語句のリス
トに登録してもダメ。タブと言うのではなく、キーのカチカチ音でT
ABと解釈してカーソルが移動するので、処置無しの状態。
その頃、時を同じくしてのどの調子が悪く、少し声がカスレ気味にな
るのが続いていたので、原因はそのせいかもと考えたりもしました。
しかしその変換精度の劇的な変化に、わずかな声の調子の違いが原因
であるとも思えず、半ば途方に暮れた状態になっていました。
以下、そのときの変換例です。
■正しい文 :
どうぞお坐りになって、気にかかっていることをお話し下さい。
■そのときの変換例 :
・1回目
脱ぐオスはみんなれ、気にかかっていることをお話し下さい。
・2回目
うコツんが、店にかなっていることんうお話し下さい。
見てわかるように、あまりにもひどい変換結果です。
この文では50%もいっていない状態です。
こんなに悪い変換精度なら使えないなと思うようになり、何度も使う
のをやめようかと思ったりしました。
しかし正しく入力されていたフィーリングの良い時のことが忘れられ
ず、もう一度1からインストールし直そうかとも考えました。
使ってはあきらめ、また使ってはまたあきらめという状態が、3週間
ほども続いたあるときのこと。
あきらめきれずある文章の入力を再トライしている時に、ふと頭の中
にあることが浮かび上がったのです。
「なぜキーを打つ音がマイクに入るのだろうかと」
それでヘッドセットのマイクの横で指をこすりあわせてみたら、レベ
ルを示すインジケーターが触れません。
そして今度は、パソコンの内蔵マイクの近くで指をこすりあわせてみ
ると、インジケーターの表示が触れるではありませんか。
そのことにより、ヘッドセットのスイッチをオンにしてはいるものの、
マイクはパソコンの内蔵マイクが活きていることがわかったのです。
ヘッドセットのスピーカーは音がしっかり聞こえるため、マイクの方
もヘッドセットのマイクになっているとばかり思っていました。
しかし、そうではなかったのです。
マイクはパソコンの内蔵マイクがオンになっていたのでした。
そこですぐにコントロールパネルから、内蔵マイクは「無効」にして、
ヘッドセットのマイクに変更したところ、ようやく変換精度が前の状
態に戻ったのでした。
そして再度変換精度の確認をしてみました。
■正しい文 :
どうぞお坐りになって、気にかかっていることをお話し下さい。
■変換例 :
・1回目
どうぞお坐りになって、気にかかっていることをお話し下さい。
・2回目
どうぞお坐りになって、気にかかっていることをお話し下さい。
この例文では、まったく問題なくなり、すべてが正しく変換されるよ
うになったのでした。
ここまででわかったことは、
「マイクは音声認識の精度において、一番重要な部分である」
ということ。(もちろん変換ソフトの次です)
外付けマイクをいろいろと変えるのは、それほど大きな差とはならな
かったのですが、内蔵マイクを使うと大幅に変換精度がダウンすると
いうこと。
変換精度のレベル低下の原因がわかり、そしてそれを改善することが
できてようやく胸のつかえが解消できたのでした。
めでたし、めでたし!
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